8月、夏本番。
チョロはますますやる気がなく、ぐったりしていた。
でも私は、その時点で「病気かもしれない」とはまったく気づかなかった。
初めて飼った猫だし、暑いし、毛皮を着ている猫がぐったりするのは当然――夏バテだろうと思い込んでいた。
普段、凶暴なくらい元気で、気に入らないことがあるとすぐ噛んでくる。
だからその頃の「ちょっとおとなしい」姿を、私はただの疲れだと勘違いした。
「夏バテ中だろうし、体でも洗ってさっぱりしよう」
その程度にしか考えていなかった。

ところが、その1週間後。
ちょろはさらにぐったりして、水さえ飲みに行かなくなり、食事も取らなくなった。
ここでやっと、私は気づいた。
これは本当におかしい、と。
慌てて病院へ連れて行くと、先生の反応が一気に変わった。
「やばい。このままだと死ぬ」
「緊急で輸血が必要です」
「ただ、輸血したからといって治る可能性が高いわけではありません」
血液の数値は通常1200以上は必要らしい。
それがこの時のちょろは、200くらいしかなかったそうだ。
正直、ヘモグロビンなのか赤血球なのか、何の数値だったかは覚えていない。
でもとにかく、血がものすごく危険な状態だった。
そこでちょろは、その病院で飼われている数匹の猫たちから血液を分けてもらい、緊急輸血をすることになった。
注射を刺されても、弱々しくシャーと言うだけで、やっぱりぐったりしていた。
私は心配でたまらなくて、「なんで気づいてあげられなかったんだろう」と後悔ばかりしていた。
しかもその頃はお盆休みで病院自体も空いていない時期。
いろいろ重なっていたとはいえ、それでも悔しかった。
数時間後、輸血が終わった。
病院は土曜の午後だったので、先生に「次は月曜の朝から連れてきてください」と言われ、月曜の朝一でまた病院へ。
すると血液の数値が、200から400に上がっていた。
とりあえず命は取りとめたみたいだった。
輸血したことで少し元気になり、ご飯も食べていた。
その姿を見て、少しホッとできた気がした。

チョロの鼻の色をチェックしてね。輸血後は少しピンクになったよ。血液の数値が少し改善した。






